武術隊指導講師 神庭裕里

神庭裕里 ・東京太極拳協会武術隊コーチ
・社)日本武術太極拳連盟 公認指導員
・社)日本武術太極拳連盟 選手強化委員会 強化コーチ
・財)日本オリンピック委員会 強化スタッフコーチ
・全日本武術選手権大会 長拳、剣術、槍術7 回優勝
・全日本武術競技大会 長拳3 種総合優勝7 回
・第12 回広島アジア大会 長拳3 種総合 4 位
・第13 回バンコクアジア大会 長拳3 種総合 銅メダル
・日本オリンピック委員会在外研修員として北京に1 年派遣留学

●手探りで始った三十年前
三十年前、武術隊はまだなく、協会内では長拳をやっている子供達という形で認識されていたと思います。まだ全日本大会もなく技能検定もなく、ただ武術が好きな人の集まりでした。
時代はジャッキー・チェーンの全盛期。武術がどんなものかもよく分からない状態で、資料もなく目標も定まらないまま始りました。練習は週に一、二回。外で 行う練習もありました。段階を経て徐々に、招請や訪中事業で直接中国の老師に指導を受け、本場本物の長拳に触れる事ができるようになりました。長拳がどん なものか分かってきたのもこの頃です。
●選手中心で武術隊誕生
1984年、全日本大会が始り選手という言葉が定着し始めた頃から協会の長拳も急激に変化し、選手を中心とする武術隊が生まれました。中国北京武術隊から 孫建明先生をコーチとして招き、練習は毎日になりました。当時、日本において大変珍しかった本場中国仕込みの武術隊の練習は厳しく、人数はかなり縮小しま したが、当時の吉田博選手や神庭裕里選手の活躍は協会の名前を全国に響き渡らせ、日本武術界を牽引し、アジア大会を筆頭に各種の世界大会でメダルの常連と なりました。
東京太極拳協会の成長には、こうした、長拳太極拳の選手、そして協力者の方々の力がとても大きかったことは間違いないでしょう。事実、多くの子供達が中国武術に興味を持ち先輩の選手に憧れ、長拳の練習に参加するようになりました。
2000年末、長い間協会武術隊コーチとして活躍なさった孫建明先生がお辞めになりました。
各々の窓の下へと協会を離れたこの頃のメンバーも、現在所属する団体は違いますが、武術太極拳の普及、ジュニアから選手育成等の活動を続けています。武術の普及と育成では、日本武術太極拳連盟の下、関東で協力して活動しています。
●ゼロからのリ・スタート、そして選手輩出
2001年の年明け、それまでの武術隊が無くなり、新たな武術隊のスタートになりました。ゼロからのスタート。東京太極拳協会の武術隊は、吉田博コーチ、 神庭裕里コーチ、そしてしばらく協会を離れていた森田尚コーチの三名で活動を始めました。コーチそれぞれに経験は違いますが、武術との深い関りの中、選 手、指導者を育て、地域での教室活動と普及を行って参りました。
一般会員数名、選手二、三名の手探りで始った2001年から現在、普及活動では地域の方々の協力の中、地域の体育協会や教育委員会等に、子供の成長や生涯 スポーツとして武術が果たす影響効果を伝えて参りました。また三名のコーチで会議を毎晩重ね、多くの地域の小中学校や公民館で講習や数えきれない程の表演 を行い、普及に勤めました。地域の教室活動もその一つです。協会武術隊には長きにわたり地域で活動している教室もあり、武術隊の骨子を支えて下さいまし た。
選手育成強化では吉田博コーチ・神庭裕里コーチを中心に、競技スポーツとして子供から大人までを数多く指導してきました。全日本大会で活躍する
選手は勿論、日本代表になる選手までを数多く育てており、一団体としては異例の動きと注目を浴び続けてきました。子供への普及が進むにつれブロックのジュニア大会にも100名を超える選手が出場し、ジュニア国際大会に参加しメダルを獲得する選手も出てきております。
武術隊では長拳の選手を経て指導者になります。選手の時に苦しい練習に耐え、幼少の頃から武術を通じ多くの経験をしたコーチを中心として、普及活動、教室の充実も進み、会員数は飛躍的に伸び、嬉しい限りです。この度三十周年を迎え、こうした武術隊があるのも、コーチ、選手はもちろ ん、普及から育成までの活動に関った全ての方々の力の継続があってのことです。改めて感謝を申し上げます。
●神庭コーチ+指導員で力を注ぎ
引続き、NPO 法人としての対外活動、協会内での教室・講習会の充実、選手の発掘・育成強化の、三つの柱を中心に活動して参ります。
今後もコーチと指導員が協力体制の下それぞれの活動をして行きます。
駆け足で三十年を振り返りましたが、特にこの十年間は改めてゼロからのスタートを切り、コーチ三名の強い絆で度々の荒波を越えて参りました。
これからの十年に向けて、初めて武術に触れる方々から拳歴十年を超える方々まで、中国の老師の方々に教えていただいてきた中国武術の持つ魅力をより広く深く伝えて行けるよう、神庭コーチを主体に力を注いで参ります。