「出会い」と「別れ」  指導講師 森田久子 

30年。これは私にとって多くの出合いと別れの歳月である。
1990年北京アジア大会までの十年。北京の老師のすばらしい技術に感動し憧れ、がむしゃらに太極拳を追い続けた選手時代、当時まだヨチヨチ歩きの東京協会を必死に支え続け協力しあった仲間達との出会いがあった。苦しかったはずなのに、何故かとても懐かしい時代である。
それからの十数年、選手を辞め後輩の指導に。自分の技量不足に愕然、師である謝志奎老師の背中を追い続け、助けていただいた。同時にこの間、葉書勲老師、 高明老師という大切な御二方を失ってしまった。また、技術の上では徐々に国内で認められてはきたものの、自転車操業、赤字であった協会の財政を、老師方、 仲間達の努力のおかげで、どうにか黒字に転換できたのも、この時代である。
その後、自分の求めていたものと現実とのギャップに苦しみ、徐々にコーチ活動から離れ普及の現場に戻ってきたのであるが、そこでの新しい発見!当然と思っていた太極拳の知識が、とんでもない誤解や面白さを生む楽しさと出会った。
その一方、この数年の内に、清水会長、長谷川会長、仲間の渡辺指導員、更に今年三月十八日、謝志奎老師と、次々と大切な方々との別れがあった。
悲しみに心は乱れながらも、「このままでいいのか」「伝えるべき技術や想いはないのか」と、あせりの中で自問自答をくり返している毎日である。
十年、二十年後の協会の姿に希望を託して…。
森田久子
・第2〜7回全日本武術太極拳選手権大会/太極拳の部連続優勝
・アジア武術太極拳選手権大会 / 太極拳の部 2連覇
・1990 年アジア競技大会(北京)/ 太極拳の部 4位

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